



ジャンルを超え、時代を超えて、数多の表現者たちを刺激し続けるアニエスベー。
その象徴であり心髄(エッセンシャルズ)ともいうべきアイテム
「カーディガンプレッション」は、
自由な着こなしと豊かな表現を可能とするエバーグリーンなマスターピースです。
ここに登場するのはパリと東京をベースに活躍し、
アニエスベーの“心髄”に共感をおぼえる5組の輝く表現者たち。
個性際立つ「カーディガンプレッション」スタイルで、
各々の“エッセンシャルズ”を語ってくれました。
人からどう思われるかではなく、
自分に似合うシンプルなアイテムを
フランス北東部・アルザス地方の芸術家の家庭に生まれ、大学では文学を専攻。モデル、ビューティーライター、インフルエンサーとして活躍した後、日常生活のさまざまなシーンから着想を得たコスメブランド「ヨレーヌ・パリ」を2021年に創設。その代表を務めるカミーユ・ヨレーヌさんは、現在も56万人以上のInstagramフォロワーを抱える著名なインフルエンサーであり、ウェブマガジン編集者、クリエーターとしての顔ももつ、現代を象徴するスラッシュワーカー。そしてパリジェンヌのエスプリ、ノンシャランなスタイルを体現する、真のスタイルアイコンのひとりです。
そんなカミーユさんと、パリ・モンマルトルの丘にある地元で人気のカフェで待ち合わせ。サクレ・クール寺院を臨む美しい街並みを背景に、ゆっくり散歩をしながら彼女のライフスタイルや欠かすことのできない“エッセンシャルズ”についてお話を聞くことができました。

「私とアニエスベーの出合いは、13歳くらいのころだったと思います。美しくて、タイムレスで、素敵なアイテムを選ぶのがとっても上手な私の名付け親が、長年愛用していたアニエスベーのカーディガンをプレゼントとして譲ってくれたんです。いまでもそれは、大切な宝物。気に入ってよく着ているんですよ」
カミーユ・ヨレーヌさんは、少し地味に感じるくらいにシックなブラウンのカシミア製「カーディガンプレッション」に身を包んで現れました。アウター感覚で着用しているのがわかる、ちょっと大きめなサイズ感。そしてボトムスは、身体にフィットしすぎない、ストレートカットのノンウォッシュデニム。そんなシンプルかつカジュアルでありつつ、上質さがにじみ出るようなアイテム選び、そして肩の力の抜けたリラクシングなスタイリングは、パッと目を引くくらいに華のある彼女の、内面の美しさと共鳴しさらに引き立てているかのようでした。
決して気取っても着飾ってもいないけれど、カミーユさん本来の美しさ、そして内に秘められた知性や情熱、感性といった本質的な美を、インナーに合わせたボルドーカラーのニットカーディガンが象徴しているようにも感じさせます。

「私にとってなにより大切なのは、決して“着飾っている”と感じないこと。だから洋服を選ぶうえで重視しているのは、自分らしく快適に過ごせること、そして時代に左右されないアイテムを選ぶことなんです」
そんな信条と価値観をもつカミーユさんにとって、普遍的で時代に左右されない不滅の定番といわれるアニエスベーの「カーディガンプレッション」を愛用しているというのは、ある意味必然的なことなのかもしれません。
「どんなスタイルにも合わせられる万能で普遍的なアイテムが好みなので、『カーディガンプレッション』は私のワードローブに欠かすことのできない定番アイテムです。コットンのものは肌触りがとてもいいので素肌に直接羽織ることもありますし、もちろんTシャツやワンピースと合わせたりもします。本当にどんな時でも活躍してくれる、頼りになる1着ですね」
「映画鑑賞と読書が趣味」という彼女がこの日私たちに勧めてくれたのは、フランスの作家で映画監督、外交官でもあったロマン・ガリーによる「Au-Dela De Cette Limite Votre Ticket N'Est Plus Valable」という1975年の作品。また同時期に活躍したマルセル・パニョルも、その言葉選びや私的な表現に魅了され、文学に傾倒するきっかけとなったお気に入りの作家なのだとか。

国内外で注目を集めるコスメブランドの運営を中心に、クリエーターとして多忙な毎日を送る、カミーユさん。忙しいなかでも大好きな映画や文学を愉しみ、パートナーとの充実した、彩りのある人間らしい暮らしを送りたいからこそ、誰かに“見せる”ためのファッションに意識を向けることに興味はないようです。
「多くの人が認識している通り、ファッションは自己表現を行ううえで大切な手段のひとつだと思います。でも同時に、ファッションにとらわれず、どんな服装をするかを気にすることなく自由でいられれば、誰もがもっと自分らしくいられるような気がするんです」
自由で自分らしくいられるためにカミーユさん自身が実践していること、それが「カーディガンプレッション」のようにシンプルで洗練されたアイテムを上手に活用することでした。
「他人からどう思われるかは重要ではなく、自分に似合うと思うシンプルなアイテムさえあればいい。そう考えるだけで余計な時間を使わずに済み、その分、より創造的で活動に集中できると思いますね」
カフェは世界的な観光地として名高いサクレ・クール寺院にほど近い、モンマルトルの丘にありました。撮影スポットとしても有名なダリダ広場からサクレ・クール寺院を見上げると、ゆるやかなカーブを描く石畳で敷き詰められたアブルヴォワール通りの上に、瀟洒な寺院のシルエットが浮かび上がります。カミーユさんのキャリアの転機となったウェブマガジン『My little Paris』の編集部も、ここから徒歩数分の場所にあるのだとか。
「『カーディガンプレッション』と美しいシルエットのデニム、履き心地の良いヒール付きのアンクルブーツ、そして私のブランド 『ヨレーヌ・パリ』の赤みがかったブラウンのリップ。これが、私にとっての“エッセンシャルズ”です。このリップは常にバッグに忍ばせているくらいのお気に入りで、気がついたときに唇や頬にサッと塗るのが私のスタイルです」

グレイッシュな空と町並みに映える、カミーユ・ヨレーヌさんの自然な佇まい。ブラウンの「カーディガンプレッション」とボルドーのカーディガンというレイヤードはもちろんのこと、リップやネイルにもさりげなくボルドーをあしらっているのが、思った以上に効果的です。パリジェンヌたちの着飾らない女性らしさは、こんな細やかな部分にこそ秘訣があるのかもしれません。
カミーユ・ヨレーヌ 編集者・クリエイター・「ヨレーヌ・パリ」代表
アルザス地方・コルマール出身。パリの大学で文学を学んだ後、広告代理店に就職し、いくつかのファッションブランドを担当。その後、ウェブマガジン『マイ・リトル・パリ』のビューティー部門責任者を務め、インフルエンサーであるジャンヌ・ダマスのブランド〈ルージュ〉でライターとして活動。2021年に自身のコスメブランド「ヨレーヌ・パリ」を設立。ヴィンテージや映画、食文化から着想を得た製品づくりが特徴で、ブランドは瞬く間に人気を博し、フランス国内外で注目を集めている。
- instagram : @camilleyolaine