MADE IN JAPAN
2023年04月12日~
1975年のブランド設立以来、アニエスベーではフランス国内に拠点を置く数々のビジネスパートナーと共にコレクションを生産してきました。美しい洋服に仕立て上げる職人達の伝統技術とわたしたちのDNAとを融合させ、共鳴しあいながら共にモノづくりに取り組んできたのです。また、お互いに培った信頼関係と感謝の気持ちに基づいて、今日でも良好な関係を築き生産しつづけています。
これは日本国内に於いても同様です。2022年現在、北は北海道の網走から南は熊本の荒尾まで、59に上る生産者達がわたしたちの商品に命を吹き込みました。高い品質と長く使えるタイムレスなデザインのモノづくりを得意とする技術、そして、工場の方々の顔が見える一つ一つ丁寧に作り上げられたモノ作りの姿勢に、わたしたちは魅せられています。
日本上陸40周年を迎え、改めて想うこと。それは、日本の各生産拠点のパートナーはわたしたちの財産です。これまでも、これからも、ありがとうの気持ちを込めて!
Fabriqué en France “ファブリケ アン フランス”(フランス製)
「私が1975年にブランドを創設して以来、“Fabriqué en France”を推進してきました。フランスの技術が消失したり、村全体が失業してしまうような事態を避けるため、フランス国内の産業を守り、活性化させ続けることが大切なのです。それはまたフランス文化の威光を外国に広める方法でもあります。」
岐阜県大垣市
株式会社艶金
カーディガンプレッションの染色
1889年の創業以来、染色加工業を営んできた艶金。その長い歴史は、技術力の高さを端的に示していますが、染色加工の過程でも環境に配慮することを心掛けています。
染色は通常、大量の水に生地を泳がせ、数時間かけて60~130℃まで温度を上げるため、莫大なエネルギーを必要とします。艶金では、素材に合わせた省エネルギー型ハイブリッド染色機を導入するなど積極的に省エネルギーに取り組んでいます。また、1987年には早くもバイオマスボイラーに切り替え、木材を燃料とすることで二酸化炭素の排出量を削減しています。
染色排水処理については、事業開業当初から高度な排水処理設備を自社内に有しており、廃水をきれいな水に戻してから排出しています。
2019年、艶金は二酸化炭素の排出量の現状を把握し、排出量を公表しました。2021年には、日本の染色会社として初めて温室効果ガス排出削減目標のScience Based Targets (SBC)認証を取得しています。
島根県安来市
株式会社島根ナカムラ
ボーダーTシャツ、カーディガンプレッションの縫製
1963年に京都で創業。現在はカットソー縫製工場として生産しています。島根県安来市には、島根県の無形文化財に指定されている『広瀬がすり』があります。約200年前の織物と染色の技術継承を進めています。地域の縫製工場が撤退する中、日本製にこだわった製品づくりを続けています。
島根ナカムラでは、ボーダーや柄の生地は自動裁断機を使わず、手作業で裁断しています。色柄や左右の肩の接ぎ目が合うように、ゆっくりと丁寧に裁断されます。縫製工程では、裾や袖口など、柄が合っているか、左右対称になっているかを入念にチェックします。また、アニエスの定番ボーダーTシャツの特徴である襟元は、身頃と同じ生地で使られています。こうすることで、長く着ても伸びが目立たず、経年変化を楽しめる服になっています。
ミシンの針は定期的に新品と交換をしていますが、まれに折れてしまうことがあります。その場合は作業を中断し、折れた針の破片を探して完全に復元させます。またその環境にある製品も検針機に3回通し、安全を確認してから作業を再開しています。
山形県鶴岡市
株式会社ユニオン
布帛・軽衣料の縫製
1978年に設立されたユニオンは、アニエスベーとは10年以上に渡る生産関係にあり、従業員数は約200名と国内でも大きな工場の1つとなっています。地元の若い人たちを積極的に採用しており、工場内は明るく活気に満ちています。
ブラウス、スカート、ワンピースなど女性用衣類の布帛・軽衣料を多く生産しています。中でも「U700」と呼ばれる生地は、ふんわりとした繊細で優美なジョーゼットですが、縫製時に生地が動いて伸びるため取り扱いが非常に難しいものです。各工程で針や糸調子を常に確認し、生地が伸びたりたるんだりしないように熟練の技で仕上げています。アイロンがけも温度やスチームの調整が必要で、長年培われた技術で丁寧に仕上げています。
パターンはデータで管理し、最も効率的な組み合わせを計算して裁断しています。裁断くずの削減にも貢献しています。また針や異物混入しないよう、徹底した安全管理体制を敷いています。